200906/16 「言葉を、大切にしてきました。」羊と私とZARDと・第一章-6 ZARDと羊 0 第一章-5羊の中の人が、時々使う実話。*=*=*=*=*=*=*=*=*=*広い会場で。沢山の人が、いくつかのテーブルに分かれて、話をしていた。H(仮名)の居るテーブルは、高卒のHを除き、全て四大卒だった。かなり有名大卒もいる。そんな学歴の話で盛り上がっている中。Hの隣の席の人が、「Hさんは何処の大学出身?」Hは答えた。「私、高校しか出ていないですよ。」この瞬間、偶然Hの後ろを通りかかった別のグループの人…Iにとって、この言葉がどんな意味を持つか、なんて、流石に気配りの出来るHでも考えもしなかった。後日。Hの友人であり、地元でも有識者として知られるSの家に、Iが訪れた。Iは話し始めた。自分は、Hを尊敬しており、Hがリーダーを務める行事には積極的に参加。陰ながら協力してきたこと。しかし、今。その気持ちが揺らいでいること。先日の集まりで、Hが「高校しか出ていない」と話していたこと。自分は中卒であること。中卒の自分を見下すような態度はHには今まで見られなかったので、相当にショックだったこと。自分が見る目がないのか悩んだこと。涙ながらに話すIを見て。Sは。その場に居合なかったが、恐らく、H周辺には大卒しかいなかったのでは?、と。自分が知る範囲では、Hは人を差別するような人間ではない、と。Iは、少し落ち着きを取り戻して帰った。*=*=*=*=*=*=*=*=*=*長いので、今日はこの辺で。(第一章-7へ続く) PR